【 看板って 】
屋外広告物法という法律によって定義されている「屋外広告物」も看板の仲間ですが、ここではより広い意味での、コミュニケーションの手段としての看板の話をしましょう。
情報の送り手と受け手がいて、コミュニケーションがあります。
コミュニケーションの手段(メディアと呼ばれていたり)は様々です。テレビ・ラジオや新聞などのマスメディア。雑誌などの印刷物もあります。看板はそのコミュニケーションの手段のひとつと位置づけることができます。
情報の送り手は、ときに政治家や芸術家、生活者としての個人であるときもありますが、一般に企業や役所などのような団体(組織)であることが多いものです。他のメディアと同様、看板もまたその送り手が、受け手に対してなんらかの行動を期待して企画制作されます。たとえば・・・(ぎょうせい刊、『屋外広告の知識』から)
■送り手の期待
- 経験の共有
- 支持を求める
- 自己の知識の供給
- 自己の要求、企画への同調を求める
■受け手の期待
- 相手との接触による情緒的安定または満足
- 必要とする情報の入手
- 気晴らし
更に看板には、一般に多くの人が生活する空間に長時間掲出されるという特徴があり、上記の期待や欲求を満足するだけでは十分とはいえません。
特に都市空間にあっては、その快適さを阻害しないだけでなく、よりよい景観を形成する役割が求められているといえるでしょう。
単に「目立つ」のではなく、空間に適度の緊張を与えることで空間全体の快適さが増す、というような考え方はいかがでしょうか?
こんなことを踏まえて、何のために看板を掲げるのか、という点を十分考えておく必要があるでしょう。
■企業としての看板
- 自社の存在を知って欲しい。
- 自社の理念や仕事に対する姿勢を知って欲しい。
- 自社の商品やサービスを知って欲しい。購入して欲しい。
■公共的看板
- 施設やサービスの場所や存在を知らせる。
- 施設やサービスの利用の方法を知らせる。
- 安全に生活する(危険を回避する)ための情報
実際には、複数の目的が混在することが少なくありません。看板屋は、そういった目的にふさわしい看板制作の提案のために、いつも研鑽を続けています。